老後って、年金だけで暮らせるのでしょうか?
夫婦2人でいくらもらえるのか、
全然イメージできなくて不安です。
とても大切なご質問です!
共働き夫婦であれば、年金は比較的手厚くなります。
まず「自分たちの年金の仕組み」を正しく知ることから始めましょう。
「老後に年金だけで暮らせるのか」「そもそも夫婦2人でいくらもらえるのか」——そんな漠然とした不安を抱えながら、毎日の仕事と育児に追われている共働き夫婦は少なくありません。
この記事では、FP(ファイナンシャルプランナー)の視点から、共働き夫婦が受け取れる年金の仕組みと受給額の目安、そして「年金だけでは足りない部分」をどう準備するかを、分かりやすく解説します。
記事を読むことで、老後のお金に対する漠然とした不安が和らぎ、今から取り組むべき準備が具体的に見えてくるはずです。
POINT
・共働き夫婦は会社員同士であれば「厚生年金」を2人分受け取れるため、老後の年金収入は比較的手厚い
・受給額は加入期間と現役時の収入によって変わり、目安は夫婦合計で月22〜26万円程度
・「ねんきん定期便」で自分の見込み額を確認し、不足分はiDeCo・NISAで計画的に準備するのがおすすめ
Contents
年金の仕組みをおさらい:共働き夫婦が受け取れる2種類の年金
老後に受け取れる年金は、大きく2種類あります。
会社員として働いてきた共働き夫婦にとって、この仕組みを理解することが、老後の資金計画の出発点になります。
国民年金(基礎年金):20歳から60歳まで全員が対象
1つ目は「国民年金(老齢基礎年金)」です。
日本に住む20歳から60歳のすべての人が加入し、40年間(480ヶ月)満額加入した場合、2025年度の受給額は1人あたり月額約6万8,000円(年額約81万6,000円)です。
共働き夫婦であれば、夫婦2人分で月13〜14万円前後が国民年金として受け取れる計算になります。
MEMO
国民年金の受給額は、加入月数によって変わります。
40年間未満の期間がある場合は、その分だけ受給額が少なくなります。
「ねんきん定期便」でご自身の加入状況を確認しましょう。
厚生年金:会社員・公務員だけが受け取れる「上乗せ年金」
2つ目は「厚生年金(老齢厚生年金)」です。
会社員や公務員として働いていた期間中、給与に応じて毎月保険料を納めることで受け取れる、国民年金に「上乗せ」される年金です。
厚生年金の特徴は、現役時代の収入が高いほど、また加入期間が長いほど、受給額が増える点にあります。
共働きの会社員夫婦であれば、国民年金の上に、夫と妻それぞれが厚生年金を受け取れるため、専業主婦(夫)世帯と比べて老後の年金収入が大きく変わります。
| 世帯パターン | 受け取れる年金 | 月額目安 |
|---|---|---|
| 会社員夫+専業主婦 | 夫:国民年金+厚生年金 / 妻:国民年金(第3号被保険者) | 約22〜23万円 |
| 会社員夫+会社員妻(共働き) | 夫:国民年金+厚生年金 / 妻:国民年金+厚生年金 | 約24〜28万円 |
共働きの場合、妻も厚生年金を2人分受け取れるため、老後の年金収入の土台は専業主婦世帯と比べて有利といえます。
共働き夫婦の年金受給額の目安はいくら?
気になる「受給額の目安」を、具体的なモデルケースで確認してみましょう。
モデルケースで計算してみると
夫(会社員・平均年収500万円・40年加入)と、妻(会社員・平均年収350万円・30年加入)のケースで試算すると、次のような目安になります。
CHECK
・夫の国民年金:約6万8,000円
・夫の厚生年金:約14〜15万円
・妻の国民年金:約5万1,000円(30年加入のため満額より少ない)
・妻の厚生年金:約8〜9万円
・夫婦合計:月約34〜35万円
上記はあくまでも試算の目安です。実際の受給額は、各自の「ねんきん定期便」や日本年金機構の「ねんきんネット」で正確に確認できます。
受給開始は65歳が基本。繰り下げで増やす選択肢もある
年金の受給開始は、原則65歳からです。ただし、75歳まで受け取り開始を遅らせる「繰下げ受給」を選ぶと、1ヶ月遅らせるごとに受給額が0.7%増額されます。
たとえば、70歳まで5年間繰り下げた場合は、受給額が42%アップします。
70歳まで健康的に働き続けられる見込みがある方や、長生きリスクに備えたい方には、繰下げ受給も選択肢として検討する価値があります。
注意
繰下げ受給は、長生きすればするほどトータルで受け取れる金額が増えますが、早期に亡くなった場合は逆に受け取り総額が少なくなります。健康状態や家族の平均寿命なども踏まえて、FPに相談しながら判断することをおすすめします。
「年金だけでは足りない」部分をどう埋めるか
総務省の家計調査(2023年)によると、65歳以上の2人暮らし世帯の毎月の支出は平均26〜28万円程度です。
夫婦共働きであれば、先ほどの試算のように年金でその多くをまかなえるケースもありますが、旅行や趣味、医療費、住宅のリフォームなど「ゆとりある老後」を送るには、年金以外の備えが必要になります。
iDeCo(個人型確定拠出年金)で老後資金を積み立てる
iDeCo(イデコ)は、老後資金を積み立てるための税制優遇制度です。毎月一定額を自分で積み立てて運用し、60歳以降に受け取れます。
最大の特徴は「掛け金が全額所得控除になる」点で、現役時代の所得税・住民税の節税効果が得られます。共働き夫婦であれば、夫と妻それぞれがiDeCoを活用することで、節税効果を最大化できます。
iDeCoは、老後のための「自分だけの年金」を自分で作る仕組みです。
月5,000円から始められますし、節税しながら老後資金を増やせる点で、会社員の方には特におすすめしたい制度です。
新NISA(少額投資非課税制度)で長期的に資産形成する
老後資金の準備として、新NISAも活用したい選択肢です。
iDeCoと異なり、60歳まで引き出せないという制限がなく、万が一急な出費が生じたときにも対応できる柔軟性があります。
つみたて投資枠を使って、毎月一定額を長期・分散・積立で運用することで、老後資金の土台を作っていくことができます。
MEMO
NISAや投資信託は元本保証ではなく、値動きによって損失が出る可能性があります。
長期的な視点で無理のない金額から始めることが大切です。
「ねんきん定期便」の見方と老後シミュレーションの始め方
老後の年金計画を立てる第一歩は、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」を確認することです。
ねんきん定期便の3つの確認ポイント
CHECK
- 加入実績に応じた年金額(これまでの実績ベースの見込み額)を確認する
- 加入月数(厚生年金・国民年金)に漏れや空白期間がないか確認する
- 35歳・45・59歳の節目の年に届く「全期間版」では、生涯見込み額を確認する
さらに詳しく知りたい場合は、日本年金機構のウェブサービス「ねんきんネット」でログインすることで、現時点の見込み受給額を月単位でシミュレーションできます。
「自分の年金がいくらになりそうか」を可視化してからキャッシュフロー計画(将来のお金の流れを見える化した表)を作成すると、必要な貯蓄額や毎月の積立額が具体的に分かり、老後への不安がぐっと小さくなります。
まとめ
本記事では、共働き夫婦の年金の仕組みと受給額の目安、そして不足分への備え方を解説しました。
CHECK
・共働き(会社員)夫婦は厚生年金を2人分受け取れるため、老後の年金収入は比較的安定している
・受給額の目安は夫婦合計で月24〜35万円程度(加入期間・収入によって異なる)
・ゆとりある老後のためには、iDeCoや新NISAを活用した上乗せ準備が有効
老後のお金は「まだ先の話」と感じるかもしれませんが、準備を早く始めるほど、積み立てる金額は少なくて済みます。「ねんきん定期便」を手に取って、まずは自分の見込み額を確認することから始めてみましょう。
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